この記事では『自作の肌色の作り方!12色セットに肌色がない時も大丈夫!』と題してお届けします。
絵を描いていて、肌の色が欲しいのに、持っている12色の絵の具セットには肌色がなかったり、欲しい色じゃなかったり。
または既に使い切ってしまっていることはありませんか?
メーカーによって絵の具セットの内容は異なり、肌色が入っているものもあれば、そうでないものもあります。
ですが、ご安心ください!
基本的な三原色があれば、簡単に肌色を自分で作ることができます。
この記事では、自分で肌色を作る方法と微妙な調整方法とそのポイントを紹介します。
絵の具と色鉛筆では使用する色が異なるため、色鉛筆での肌色の作り方もご説明します。
それでは『自作の肌色の作り方!12色セットに肌色がない時も大丈夫!』最後までお楽しみください。
この記事に書かれている内容
セットに「肌色」がないのは理由がある!
ここでは「肌色」という言葉を使用していますが、現代ではこの表現はあまり使われていません。
だから「肌色」という名前の絵の具を探しても見つけられないと思います。
実際、人々の肌の色は、その人の出身や民族によって多種多様です。
特に、異なる文化的背景を持つ人たちの中では、肌の色に大きな差があることが一般的です。
近年、人種の多様性や個々人の特性を尊重する傾向を受けて、「肌色」と一言でくくる表現を避けるべきだという考え方が広がっています。
この考えは2000年代に入ってから広まり始め、クレヨンや色鉛筆を扱うペンテルや三菱鉛筆のようなメーカーは、「肌色」という呼称を「ペールオレンジ」や「薄橙」「ベージュ」などの新しい名称に置き換えています。
ですから「肌色」の絵の具を探す時には、色の名前に注目してみると良いでしょう。
しかし、この記事では読者の方が内容を理解しやすいように、引き続き「肌色」という表現を使用してご説明いたします。
自作の肌色の作り方!
絵の具で自作の肌色を作る方法について、ここからは具体的な話をしていきましょう。
手元にある絵の具を使って、自分だけの肌色を作成する方法をお伝えします。
驚くことに、わずか3色の絵の具を上手く混ぜ合わせるだけで、簡単に肌色を作ることができます。
「赤」「黄」「白」
「赤+黄+白=肌色」という方法で、まず赤と黄を混ぜてオレンジ色を作り、そこに白を加えて徐々に調整します。
肌色を作る際の標準的な配合比は「赤1:黄1:白4」となります。
特に、日本人の肌色には自然な黄色味が含まれていることが多いので、黄色い絵の具は欠かせません。
赤を少し加えることで、より健康的で生き生きとした色合いを演出できます。
そして、白色を加えることで、さらに明るさを出すことが可能です。
初めにこの基本配合で肌色を作り、そこから「もっと黄色が強い方がいい」「ピンク色を帯びた愛らしい肌色にしたい」といった自分の求める色に近づけるために、絵の具を少しずつ足して調整してみるのがおすすめです。
「赤」・「黄」・「青」
「赤+黄+青=肌色」として、赤と黄でオレンジ色を作り、その後に少しずつ青を加えていきます。
人間の肌には青色の成分が混じることがあるのは、体内に青色の静脈が存在するからです。
パーソナルカラー診断でよく聞く「ブルーベース」「イエローベース」という言葉はご存知でしょうか?
ブルーベースの人は、静脈が肌の色に影響を与えやすいとされています。
肌に自然な透明感を出したい場合、基本の赤や黄色に青色を加えると、明るく透明感のある肌色を作ることができます。
肌の色を微調整する際は、白色を加えるよりも水を加えることを推奨します。
白色は肌を明るくする効果はありますが、透明感を出すには適していません。
特に透明感のある色白の肌を描くには、水での調整が重要です。
これにより、よりリアルで魅力的な肌色を描くことができます。
「茶」「白」「赤」
反対に、色黒の肌や日焼けした肌を表現したい場合は、茶色を基本にします。
まずは茶色と白を混ぜて濃い肌の基調を作り、そこに赤を加えることで、より自然で立体感のある肌色を表現できます。
濃い肌色を作る時は白色が便利ですが、より明るさや透明感を加えたい時は、水で調整すると良いでしょう。
「橙」と「白」
「橙」や「オレンジ」の絵の具が手元にある場合は、「オレンジ+白=肌色」として、オレンジに白を混ぜるだけで、簡単に肌色を作ることができます。
これは一番初めに紹介した「赤」+「黄色」から作る色を手元にある絵具に買えた方法です。
でも、この組み合わせで作る肌色も混ぜ方によって色味が違うので魅力的なカラーができると思います。
「肌色」と一言で言っても、人によってさまざまです。
様々な絵の具の混ぜ方を覚えることで、豊富な肌色を描くことができるようになります。
いろいろな色の組み合わせを試して、自分の理想の肌色を見つけてみましょう。
自分で作る肌色のコツ
個々の肌色は人それぞれ異なるため、自分で肌色を作成する際に役立つコツを紹介します。
暗い肌色は「青」
暗い肌色を作りたい時は、黒色を使うよりも青色を推奨します。
黒を混ぜると不自然な暗さになり、「焦げたような茶色」になりがちです。
透明感を求めるときは「水」
白い肌の透明感を演出したい場合は、白色で直接明るくするのではなく、水を使って薄める方法が適しています。
透明水彩では、白色を使わずに水の量で色の濃淡を調整してみましょう。
重ね塗り
これまでに説明した絵の具の色の作り方は主に「混色」を用いたものでした。
これは、異なる絵の具をパレットで混ぜ合わせて新たな色を生み出す方法です。
そしてもう一つおすすめの方法が、キャンパスに色を重ねていく「レイヤリング」または「重ね塗り」という技法です。
この技法では、色を一層ずつ紙に塗り、乾かしてから次の色を重ねていくことで、目的の色を形成します。
混色法では、事前に混合した色を直接紙に塗るため、作品には比較的軽やかでクリアな印象を与えることができます。
一方、レイヤリング法では、色を塗り重ねることで深みと重厚感を持たせ、細やかな色彩の変化を表現することが可能です。
この方法は特に透明水彩絵の具に適しており、透け感が重要となります。
不透明な絵の具では、同様の効果を得ることが難しいです。
作品にどのようなイメージを持たせたいかに応じて、混色とレイヤリングのどちらを使用するか選択することが重要です。
レイヤリングを用いて肌色を表現する場合、肌の立体感やリアルな質感を出すことができます。
光の当たり方や肌の凸凹を考慮しながら色を重ねていくことがポイントです。
- 最も光が当たる部分は紙本来の白さを利用します。
- 影ができる部分には、青や紫を塗ります。
- 光が当たる部分には黄色を塗ります。
- 血色の良い部分には赤色を加えます。
- 最後に全体を見て、足りない色や調整が必要な部分に色を追加していきます。
この過程で、ただ肌色を塗るだけでなく、影や光の反射、服や周りの物体からの色の反射などを考慮に入れ、細かな色の調整をしていくことが大切です。
買うときの市販の色の名前
手軽に手に入るおすすめの肌色絵の具はないのでしょうか?
自分で色を混ぜ合わせて肌色を作る方法に加えて、市販されている便利な肌色絵の具もあります。
色の混合が苦手な方や、簡単に肌色を手に入れたい方には、既製の肌色絵の具がおすすめです。
教育現場でよく使用される「ぺんてる」の絵の具には「ペールオレンジ」という色があり、これは以前「はだいろ」と呼ばれていた色ですが、名前が変わりました。
さらに、「サクラクレパス」からも「うすだいだい」という肌色があり、これも昔の「はだいろ」と同じ色です。
子供の頃に学校で使用した経験のある方も多いかと思います。
子供用としては、「ペールオレンジ」や「うすだいだい」などの絵の具で十分な場合が多いです。
透明水彩の分野では、「ホルペイン」が鮮やかな発色で人気です。
「ジョーンブリヤン」という色は、肌色にとても近いと評価されており、No.1はより白い肌色、No.2はやや黄色味がかった肌色を表します。
「ジョーンブリヤン」は「ターナー」や「クサカベ」など、他のブランドからも発売されています。
微妙な色の違いを楽しんで、自分に合った肌色を見つけるのも良いでしょう。
使用している絵の具のブランドで肌色があるか知りたい時は、「肌色」でネット検索をしてみると、多様な肌色絵の具を発見できます。
また、画材やに行けば絵の具の棚にはその絵具で塗られた色見本が飾ってある場合もあります。
また、カタログで確認させてくれるところもありますよ。
まとめ
自作の肌色の作り方!12色セットに肌色がない時も大丈夫!いかがでしたでしょうか。
この記事で紹介したのは、絵の具を使って手軽に肌色を作る方法です!
肌色の基本は、「赤」「黄」「白」の3つの色を混ぜ合わせること。
これにより、簡単に肌色を作り出せます。
また、青や茶色を加えたり、水で希釈することで、さまざまな肌の色合いを表現することが可能です。
さらに、色を層にして塗り重ねる「重ね塗り」技法を用いれば、赤や黄、青を使って、より立体感のある、深みのある肌表現ができます。
色づくりに自信がない方には、市販されている肌色の絵の具を利用するのも良いでしょう。
ペールオレンジやうすだいだい、ジョーンブリヤンなどは、肌色表現に適した色として人気があります。
目指す肌の色に合わせて、これらの絵の具を選んで使ってみてください。
それでは『自作の肌色の作り方!12色セットに肌色がない時も大丈夫!』最後までご覧いただきありがとうございました。